トラピストビールとは
トラピストビール(英語:Trappist beer)とはトラピスト会というカソリック修道院で作られるビールです。
トラピスト会は、正式には厳律シトー会※ という名前で世界には男子修道院99、女子修道院73が存在しています。(2016年)男子修道院をトラピスト 女子修道院をトラピスチヌ(トラピスチン)と分けて呼ばれることもあります。
※フランスのブルゴーニュ地方にあるシトー修道院がルーツでトラピストも地名から命名されています。
日本のトラピスト修道院
日本にもトラピスト修道院があり、函館にある「厳律シトー会 灯台の聖母トラピスト修道院」は日本初のトラピスト修道院です。
当修道院は、トラピストなので男性のみが入会できます。ローマ・カトリック教会の洗礼を受けて3年以上、20〜45歳の独身男性、生涯独身の決意があるもの など他にも色んな決まりがありますが、相当な決意がないと入会できないようです。
<日本のトラピスト修道院>
函館 灯台の聖母トラピスト修道院
大分 お告げの聖母修道院
<日本のトラピスチン>
函館 天使の聖母トラピスチヌ修道院
栃木 那須の聖母修道院
兵庫 西宮の聖母修道院
佐賀 伊万里の聖母修道院
大分 安心院(あじむ)の聖母修道院
修道院では何をするのか?
トラピスト修道院では、集団生活で 聖なる読書、教会の祈り、労働 の3つを行っています。
朝は3時30分に起床。4時台に黙祷、読書の祈り 午前の労働 昼食 午後の労働 と祈りと労働を繰り返し 8時台に就寝 と規則正しい(やや早起き過ぎ?) な生活を送ります。
その労働の中には食品の製造などを行うこともあり、函館の灯台の聖母トラピスト修道院では発酵バターやクッキー、ソフトクリームなどを製造して一般販売も行っています。
トラピストバター、トラピストクッキーは北海道のお土産としてもメジャーな存在です。
トラピストバター
トラピストクッキー
トラピスト修道院製品で得た利益は、施設の修繕や運営費、あるいは慈善団体への寄付に使われます。トラピストビールも同じように非営利で行われています。
修道院でなぜビール?
なぜ厳粛な修道院でビールを製造するようになったのでしょうか?
起源は8世紀までさかのぼります。ヨーロッパの父と呼ばれるフランク王国のカール大帝は、ビールが大好きで修道院にビール製造所を併設させました。
理由はビールが大好きというだけではありませんでした。当時の水は不衛生で疫病が流行らないためには煮沸されていて安全なビールを飲む ということが解決策の一つでした。
ですので、修道院にビールを造らせて人々に飲ませることで病気にならない安全で神聖な飲み物を提供。そして、キリスト教を普及することが出来たのです。
トラピストビールの種類
トラピストビールは、新しく参加したり辞めたりと製造所の数も場所も変わるのですが、現在は11箇所のトラピストで製造されています。
トラピストの味は、それぞれの修道院によってレシピが異なるので上面発酵のエールビールでハイアルコール・長期保存が出来るようなビールが多い傾向にあります。
ベルギー
オルヴァル修道院 オルヴァル
スクールモン修道院 シメイ
アヘル修道院 アヘル
サン・レミ修道院 ロシュフォール
ウェストマール修道院 ウェストマール
シント・シクステュス修道院 ウェストフレテレン
オーストリア
スティフト・エンゲルスツェル修道院 ベノー / グレゴリアス
イタリア
トレ・フォンターネ修道院 トレ・フォンターネ
オランダ
コニングスホーヴェン修道院 ラ・トラップ
マリア・トゥーフルフト修道院 ズンデルト
アメリカ
セントジョセフ修道院 スペンサー